萩原清厩舎は本当に牝馬が不得意なのか?理由は?[一口馬主的考察]

競馬

2018年は所属馬ルヴァンスレーヴがダートG1を3勝し、2019年の牡馬クラシック戦線ではダノンキングりーが皐月賞3着、日本ダービー2着と気を吐いた萩原清厩舎。

もうキャリア20年以上になる名門厩舎ですがまだまだ健在です。

過去にはロジユニヴァースで日本ダービーも制した実績もあります。

しかしこの萩原清厩舎には昔からひとつのジンクスがあります。

それは「牝馬が全然ダメな厩舎」というものです。

2019年は牝馬ノームコアでヴィクトリアマイルを勝利しましたが、牝馬でのG1勝利はこれが初めてのことでした。

果たして萩原清厩舎の牝馬はダメというジンクスは本当に打ち破られているのでしょうか?

萩原厩舎の特徴と共に萩原厩舎が本当に牝馬を不得意としているのかを探って見ました。

萩原清調教師プロフィール

萩原調教師の簡単なプロフィールです。

1953年3月生まれー60歳(2019年9月現在)

美浦所属

1982年に競馬学校に入学し厩務員へ。その後いくつかの厩舎で調教助手などをしながら1996年に調教師開業。

一昔前からの調教師ですので、ここ最近の調教師たちのように社台グループや海外での研修は経験していないようです。

社台関係の馬を結構預かる事が多いのはダイナフェアリーなどを管理していた師匠の鈴木康弘調教師からの縁なのでしょうか?この辺りはわかりませんね。

主な所属馬とその傾向

上記の画像は萩原厩舎の収得賞金上位の馬たちです。(2008年〜2019年9月1日現在まで)

重賞クラスはダート馬が多い

まず収得賞金上位の顔ぶれを見て気付くのはダートを主戦場とする馬が非常に多い事です。

2018年の最優秀ダートホースであるルヴァンスレーヴはもとよりランフォルセ、レーザーバレットなど交流重賞で長く活躍した馬たちの名前もあります。

プリサイスマシーンも芝、ダートの二刀流で活躍した名馬でした。

この集計では上位に入っていませんがメテオバーストやハリーズコメットなどやはり芝、ダート二刀流で活躍しました。

タフな馬場を得意とする馬が多い(というかほとんど)

それともう一つ気付くのはタフな馬場状態を得意とする馬が多い事です。

例えば萩原厩舎の代表的な馬であるロジユニヴァースが日本ダービーを制した時はひどい不良馬場でした。

プリサイスマシーンは重馬場の高松宮記念3着ですし、ミトラやトランスワープなどもローカル競馬が得意なパワータイプです。

ダートが得意なのを見ても萩原厩舎はパワータイプの馬を育てることが得意なようです。

収得賞金上位に牝馬はノームコアのみ

そしてこの記事の主題になっている牝馬なのですが、収得賞金上位に入っている牝馬はノームコアのみです。

収得賞金20〜30位前後まで見てもアミカブルナンバーやゴールデンナンバーといったダイワメジャー産駒の牝馬2頭の名前が見えるだけです。

しかもこの2頭は共に重賞勝ちはありません。

牝馬で重賞勝ちをしたのはノームコアが初めてか?

私の調べた限りでは萩原厩舎の牝馬で重賞勝ちを果たせたのもどうやらノームコア1頭のようです。

う〜ん。

これではやはり牝馬が不得意と言われても仕方ないですね。

萩原厩舎は牝馬が本当に不得意なのか?理由は?

それでは萩原厩舎に牝馬の活躍馬が少ない理由を探って見ましょう。

パワータイプに馬を育てる調教が牝馬には合わなかった?

まず考えられるのは萩原厩舎の調教方針がダート馬やパワータイプの牡馬を育てるのに適していて、牝馬の調教に適していないということです。

牝馬は牡馬とは筋肉の質や精神面の繊細さが全く違うので、よく言う「牝馬特有のキレ味」といったものを引き出す調教と萩原厩舎の調教が真逆なのかもしれません。

数少ない牝馬の活躍馬もハービンジャー産駒だったりダイワメジャー産駒だったりパワー血統なのが共通するのでその辺りが萩原厩舎の調教とマッチしたのかもしれません。

厩舎によって牡馬牝馬の得意不得意はある

関西の池江泰寿厩舎なども活躍馬が牡馬に偏り牝馬が不得意なことで有名ですが、萩原厩舎も同様の傾向があるようです。

数年前に調教師を引退した松田博資厩舎などは牝馬のキレ味を出すのが非常に上手でしたが厩舎によって牡馬、牝馬の得意不得意はどうしても出てきます。

萩原厩舎はマッチョで硬質な筋肉を作るのは得意だが、柔らかくて動きやすい筋肉を作るのは苦手といった何らかの育て方のクセが存在するのかもしれませんね。

そもそも牝馬の素質馬を預かっていなかった?

もう一つ考えられるのがそもそも牝馬の素質馬をあまり預託していないかもしれないと言うことです。

萩原厩舎は以前から虚弱体質の馬を多く預かっているといった話がありますので、同じ虚弱馬でもダメなら見切りをつけて繁殖入りしてしまう牝馬よりじっくり育てて素質開花させられる牡馬を優先的に預託していたのかもしれません。

実際キャロットクラブの所有馬でも高額募集の良血牝馬が萩原厩舎に預けられたことはありませんでした。

しかし2019年は傾向に変化が見られる

2019年は萩原厩舎にとってターニングポイント的な年になるかもしれません。

ひとつはここまで実績のなかった牝馬でG1勝ちを納め、ダービーで好走したダノンキングりーもパワータイプとは程遠いキレ味タイプの牡馬とこれまでとは違ったタイプの馬が活躍し活躍馬の傾向に変化が見られるからです。

これは何か萩原厩舎の馬の育て方に変化がでた結果なのかもしれません。(ノーザンファーム天栄の存在も大きいのかもしれません)

もうひとつはここ2〜3年の預託馬にも変化が見られることです。

一口クラブのサンデーレーシングは父ディープインパクト、母シユーマという総額5000万の超高額牝馬シユーマの16(馬名メッシーナ)を萩原厩舎に預託しています。

牝馬の高額馬募集馬が萩原厩舎に預託されるのは珍しいパターンです。(私が調べた中でですが)

2019年のキャロットクラブ1歳募集馬でも父ドゥラメンテ、母ヒルダズパッションの超良血牝馬であるヒルダズパッションの18が萩原厩舎に預託されることが決まっています。

やっぱり何かが変わってきているようです。

結論:これまでははっきり牡馬優勢。しかし2019年以降は牝馬の活躍馬も増えそう

2019年以前の萩原厩舎は成績からはっきりと牡馬優勢の厩舎でした。

しかしここ数年は預託される馬に変化の兆候が見えますので、これから先は牝馬の活躍馬が増えてくるのかもしれません。

実際に牝馬ノームコアがヴィクトリアマイルを制したことで牧場の評価が変わってこれまでは萩原厩舎に回ってこなかったタイプの牝馬が萩原厩舎に預託され始めています。(キャロットクラブのヒルダズパッションの18など)

これからの成績次第では萩原厩舎の牝馬はダメという考え方は改める必要があるのかもしれませんね。

まとめ

これまで不得意だった牝馬のノームコアでG1を制したことで萩原厩舎を取り巻く環境も大きく変わってきそうです。

もともと実力、実績ともにある名門厩舎ですので牝馬もイケるとなれば、高素質な牝馬の預託も増えることでしょう。

これからの萩原厩舎は牝馬も注目です。

それでは。

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