史上最強馬級評価の怪物サートゥルナーリアの7つの弱点

競馬

2019年の牡馬クラシック路線の最有力馬といえば、圧巻の馬なり楽勝でホープフルSを制したサートゥルナーリア。

兄にエピファネイア、リオンディーズというG1馬2頭を持ち母は日米オークス馬シーザリオと生まれた時からの超エリートホースです。

調教から見せる桁外れの身体能力に加え、兄たちとは違う落ち着いた気性と死角らしい死角は無いように思えますが、実は秘めたる弱点もかなり持ち合わせている馬です。

そこでこのサートゥルナーリアのクラシック戦に向けての弱点を洗い出して見ましょう。

弱点その①:左前脚の球節が弱い

サートゥルナーリアの最大の弱点とも言えるのが左前脚に抱える球節の弱さです。

実際には致命的とも呼べる故障には至っていないのですが、当初昨年の秋初戦に予定されていた札幌2歳Sは球節の疲れが原因で回避をしています。

母シーザリオの子供たちは脚元に不安を抱える馬も多く、G1である兄エピファネイアは5歳時に左前脚けい靱帯炎で引退、同じくリオンディーズも3歳秋に左前脚屈腱炎で早期引退と兄2頭は共に左前脚の故障で引退しています。

特にキングカメハメハの系統を掛け合わされた馬に脚部不安が出ることが多く、シーザリオ初期の産駒であるトゥエルフスナイト、ヴァイオラも重度の脚部不安で引退しています。

サートゥルナーリアの父ロードカナロアもその父がキングカメハメハですから気になるところです。

休み休み使われているのもこの呪われた左前脚を考慮してのものです。

弱点その②:皐月賞は休み明けでの出走

中山2000mを何度も使いたくないという理由や左前脚の球節の状態を考慮してか、皐月賞へは異例の休み明けでの出走になります。

過去2歳戦からの出走で皐月賞を制した馬はおらず、のちにダービーを制する2年前のレイデオロでも5着でした。

近年は外厩での仕上げが発達しアーモンドアイのように休み明けでもG1を勝ち切るような馬が複数出ていますが、タフな流れが予想される皐月賞ではスタミナ面に不安が残ります。

過去3戦では比較的緩い流れのレースしか経験してきていないというのも不安材料です。

順調にトライアルに使われていた馬に脚元をすくわれる恐れはあります。

弱点その③:2歳戦で倒した相手がその後不振でレベルに疑問

ホープフルSで勝利した際の2着馬アドマイヤジャスタは2019年春初戦のすみれSで2着、ホープフルS3着馬のニシノデイジーも弥生賞で4着と結果が出ていません。

サートゥルナーリアが勝利した過去3戦はタイム的にも平凡でレースレベル自体に疑問符がつきます。

本気で追っていないとはいえ、上がり3Fのタイムや着差に関しても平凡です。

もしも過去3戦の対戦相手が弱く凡戦での勝利だとしたらサートゥルナーリアも絶対的な存在とはいえないのかもしれません。

弱点その④:父が短距離馬

サートゥルナーリアの父であるロードカナロアは主に短距離の1200m戦で結果を残した馬です。

もちろん同じ父を持つアーモンドアイが2400mまでの距離を克服してオークスやジャパンカップを勝利しているのですが産駒は基本短距離馬やマイラーです。

サートゥルナーリアは父ロードカナロア似の短距離向きと呼ばれる短めの胴体の馬体ですので、やはり長めの距離だと不安も出てきます。

母のシーザリオの産駒は基本ステイヤーが多いので杞憂に終わる可能性も秘めていますが、やはり血統面の距離に対する不安は残ります。

2000mはホープフルSで克服していますが、ダービーの2400mは父方の血から未知の領域です。

弱点その⑤:G1馬の兄2頭は3歳春未勝利

G1馬である兄2頭エピファネイア、リオンディーズは3歳春のクラシック戦線では共に勝利をあげることはできませんでした。

エピファネイアは初戦弥生賞4着から皐月賞、ダービーで2着、リオンディーズは初戦弥生賞2着から皐月賞、ダービー共に5着と春のクラシックレースでは善戦止まりでした。

兄2頭はサートゥルナーリアと同じく2歳時は不敗で実績的には3頭ともに互角といえますから兄弟の春クラシックでの不振は気になります。

特に本質的にはシーザリオの子供達は中山コースを得意としておらず、ホープフルSで中山コースでの勝利をあげているサートゥルナーリアといえども躓く恐れはありえます。

弱点その⑥:角居調教師の権限の低下

サートゥルナーリアを管理する角居調教師は昨年飲酒運転で調教師免許停止の処分を受けています。

自業自得とはいえこのことは角居調教師の威厳や権限を大きく失墜させるものでした

実際にサートゥルナーリアの皐月賞直行のローテションは角居師ではなくノーザンファーム側で決めたもので角居師は提案をただ受け入れただけのようです。

自分がいない間にも管理馬が勝利していたのは厩舎スタッフやノーザンファームでの調整のおかげでしたのでもはや周りの関係者に頭が上がらないようです。

飲酒明けの調教師の馬が新元号のダービーを勝つというのはちょっとどうなのかな?とも思います。

弱点その⑦:乗り替わり

サートゥルナーリアはこれまでの主戦であるデムーロ騎手からルメール騎手への乗り替わりが発表されています。

昨年200勝以上の勝利をあげた日本のトップジョッキーへの乗り替わりとはいえクラシック初戦でのいきなりの乗り替わりは不安があります。

サートゥルナーリアは決して乗り難しい馬ではないと思いますが、妙に折り合いすぎるところがあり位置どりが悪くなってしまう傾向がありますから初騎乗では馬群に包まれてしまう恐れがあります。

デムーロ騎手だと強引に馬群をこじ開けてきますが、ルメール騎手はそういうタイプではなく馬群に包まれて抜け出して来られないという事態も想定して置かなければいけないでしょう。

まとめ

以上、サートゥルナーリアに考えられる7つの弱点でした。

非常にポテンシャルの高い馬でスタッフからの評価や調教の動きなどで只者ではないのはわかります。

しかしまだその能力の全貌を良くも悪くもレースでは見せていない馬です。

牝馬路線だった昨年の春のアーモンドアイよりもはるかに高い壁を乗り越えなければ、休み休みのローテーションで牡馬クラシック戦は勝ちきれません。

しかしその壁を超えて皐月賞、ダービーを勝利できるようなら三冠馬であるディープインパクトやオルフェーヴルにも並ぶ名馬になっていくでしょう。

まずは無事に皐月賞への出走へ。

それでは。

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