池添学厩舎は本当に学ばない厩舎なのか?[一口馬主的考察]

競馬

近年の競馬界はノーザンファーム系一口クラブの所属馬が大レースを制することが多いです。

アーモンドアイ、ブラストワンピース、サートゥルナーリア、グランアレグリア…..どれもノーザンファーム系一口クラブの所属馬です。

そのノーザンファーム系の一口クラブは毎年6月〜9月にかけて新規1歳馬の募集を開始します。

サンデーレーシング→シルクレーシング→キャロットクラブの順で毎年募集が開始されるのですが馬の血統や馬体が注目されるのはもちろんですが同じくらい所属する厩舎がどこになるのかも注目されます。

そして一口クラブ界でここ数年注目されているのは「池添学厩舎にはどの馬が入るのか」です。

なぜ注目されているのかというと池添学厩舎には血統的に非常に注目される馬が所属することが多いからです。

近年は名伯楽と呼ばれる調教師の定年での引退、厩舎解散が多いのですがこの名門厩舎に所属していた馬や育んできた超良血の血統馬が池添学厩舎に入厩することがなぜか非常に多いのです。

しかしその超良血馬たちのその後結果はイマイチで池添学厩舎は学ばない厩舎などと言われてしまう結果となっています。

そこでこの記事では池添学厩舎が本当に「学ばない厩舎」であるのか冷静な視点から検証してみることにしました。

池添学調教師のプロフィール

まず簡単に池添学調教師のプロフィールです。

1980年9月2日生まれ(2019年9月現在-39歳)

栗東所属

小学校時代から馬術を始めてその後に明治大学馬術部→ノーザンファーム→エイダン・オブライエン厩舎→池添兼雄厩舎などで修行、研修後の2013年に調教師試験合格。

2015年に厩舎開業し今に至るです。

34歳で厩舎開業と超エリートな経歴です。

父は調教師、兄はG1ハンター池添謙一という超サラブレッド

父は調教師の池添兼雄氏です。

主な管理馬はヤマカツスズランやメイショウベルーガなどで、近年でもヤマカツエースやカツジ、メイショウテンゲンなどで重賞制覇を飾っている現役バリバリの調教師です。

そして兄は池添謙一騎手。

オルフェーヴル、ドリームジャーニー、ブラストワンピースなどで何度もG1制覇を飾っているG1ハンターの名騎手です。

父も兄も競馬界の中心にいる競馬界のサラブレッドですね。

主な管理馬とその傾向

2019年9月現在では収得賞金トップはオーシャンSを勝利しながらもその後非業の死を遂げた名牝メラグラーナです。

重賞での勝利もこのメラグラーナのオーシャンSのみです。(2019年9月現在)

ただサラキアやカテドラル、ボンセルヴィーソなどで重賞戦での連対は何度もあります。

松田博資厩舎の関連血統が多数在籍

池添学厩舎はノーザンファーム出身の馬が多数を占めています。

これは池添学氏がノーザンファームで修行をしていたという面が大きいと言われます。

そして名伯楽であった松田博資調教師の元管理馬や関係した血統馬も多く池添学厩舎も多数在籍しています。

松田調教師引退後の転厩馬ではフローラS勝ち馬サングレアルや現在種牡馬のシルバーステートの姉であるヴィルジニア、桜花賞馬ハープスターの妹リュラなどです。

松田厩舎関連の血統馬ではG16勝の名牝ブエナビスタの子供達であるコロナシオン、ソシアルクラブ、タンタラスなどとハープスターの初子であるアストライア、その母ヒストリックスターの子供であるアスティル、ゴールドティアなどです。

池添学厩舎が不評なのは元松田厩舎の関係馬が原因

池添学厩舎が不評である原因は元松田厩舎関連の馬達の不振が理由です。

松田厩舎を代表する名牝ブエナビスタの子供達はコロナシオン、ソシアルクラブ、タンタラスの3頭はそれぞれ勝ち上がってはいますがG16勝の母と比べるまでもない成績です。

他にもハープスターとその母ヒストリックスターの子供達も池添学厩舎が預かっていますがほとんどの馬が未勝利です。

しかしこれは仕方ない面もあります。

名牝が必ずしも優れた母にならないというのは競馬界によく聞く格言です。

ブエナビスタの子供達は超名牝の母よりは能力が下というだけで勝ち上がってはいますし、ハープスター、ヒストリックスターの子供達はそもそもの能力が低くおそらく松田博資厩舎だったとしても同じような成績だったことでしょう。

元松田厩舎関連の馬達の成績で原因で池添学厩舎が不評なのだとしたらちょっと可哀想ですね。

年度別の成績、勝率

池添学厩舎の過去5年の成績です(2019年9月1日現在)。

開業年の2015年以降コンスタントに20勝前後の勝利数です。

勝率は出走数が少なかった2015年は13.4%という高い勝率を挙げていますが、その後の4年は9%前後の勝率です。

2015年は開業したばかりで他厩舎からの転厩馬も多かったので池添学厩舎だけの成績とは言いがたいところもあります。

年間勝率9%前後は上々の成績

ここ数年の池添学厩舎の年間勝率9%前後という成績はそんなに悪い数字ではありません。

2019年9月現在の全国リーディングトップの安田厩舎の過去5年の成績でも2019年を除けば大体10%前後の勝率です。

リーディング上位の厩舎だと毎年15%前後の勝率を出していますが、池添学厩舎はこれら上位勢を追う2番手グループの成績です。

2019年は9月1日現在で19勝で勝率9.9%と過去最高の成績を更新しそうな勢いです。

短めの距離の方が勝率が高い

上の画像は池添学厩舎の過去5年の距離別成績ですが出走数の違いこそありますが1600m以下の短距離戦の方が好成績です。

重賞戦での所属馬の好走もほとんどが1600m以下です。

2019年9月現在唯一の中央重賞勝ち馬であるメラグラーナも1200m戦での勝利です。

ノーザンファーム系の馬とはミスマッチも考えられる

池添学厩舎の所属馬はほとんどがノーザンファームの生産馬ですが、ノーザンファームの馬は基本クラシックディスタンスを使うことを念頭に作られていますので短距離やダートは芝の中距離戦ほどの成績ではありません。

ここで池添学厩舎との得意条件のミスマッチが発生している可能性もありますね。

厩舎にはそれぞれ調教方針の違いで得意条件があります。

角居厩舎などは長距離戦が得意で短距離は出走すら少ないですし安田厩舎だとこの逆の成績です。

もしも池添学厩舎が短距離戦の方が得意な厩舎だとするなら中長距離馬が中心のノーザンファーム出身の馬はあまり得意でない可能性もありますね。

結論

私の個人的な見解では「池添学厩舎は学ばない厩舎ではない」というのが結論です。

実際に2019年は過去最高の勝ち鞍を目指せる成績ですしペース的にも年間30勝を超えても不思議ではありません。

池添学厩舎は順調にノウハウを積み重ねてきて進化しているという結論で間違いないでしょう。

池添学厩舎の馬に出資するなら短距離戦を目指しそうな馬を選ぶのがいいかも?

これから池添学厩舎の馬に出資を考えるなら1600m以下の短距離戦を主戦場にする馬を選んでみるのが面白いかもしれません。

例えばキャロットクラブにはカテドラルという馬がいますがこの馬は当初中距離戦を使われていました。

しかし頭打ちになり1600m戦を使うようになってから成績が再び上昇してきました。

カテドラル自身はハーツクライ産駒で長距離でもいけそうですが池添学厩舎の調教から短距離が得意な馬に仕上がっているのかもしれません。

池添学厩舎の代表馬であるメラグラーナも短距離馬ですし収得賞金上位のサラキアやボンセルヴィーソも1600m前後が良いですので現在のところは短距離専門厩舎と見てもいいでしょう。

外国の短距離血統の持ち込み馬なども良い結果を出してくれるかもしれません。

あくまでも個人的な見解です。出資はご自分の判断でお願いします。

まとめ

以上、池添学厩舎の検証してみましたが池添学厩舎は決して腕の悪い厩舎ではありません。

5年目以降のこれからが本領発揮でしょう。

個人的には池添学厩舎の初G1制覇は1600m以下のレースになると思っていますがどうなるでしょうか?

過去には堀厩舎や友道厩舎も一口馬主的にNG厩舎と呼ばれていましたので、もしかしたら池添学厩舎も同じような時期なのかもしれません。

池添学厩舎に出資するなら今かもしれませんよ。

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