サートゥルナーリアが次走ダービーまでに手にする圧倒的な3つの上積み

競馬

平成最後の牡馬クラシックレース第79回皐月賞は単勝1.7倍の圧倒的な指示を得たサートゥルナーリアがヴェロックス、ダノンキングりーとの激しい叩き合いを制して人気に応えました。

サートゥルナーリアはなんと今年初戦、前走のホープフルSから100日以上もレース間隔が開いての皐月賞勝利と今までの競馬の常識からすると異例の勝利となりました。

そしてサートゥルナーリアの次走に予定がされているのが競馬の最高峰、日本ダービーです。

サートゥルナーリアにとって皐月賞は通過点であり、ここまで日本ダービーを勝利するために馬を造られてきました。

皐月賞は単勝1.7倍のオッズにしては苦戦したとの下馬評になりつつあり3強対決のダービーになると言われますが私はサートゥルナーリア1強のダービーになると断言します。

その理由はサートゥルナーリアがダービーまでに手にする他の馬たちには無い絶大な3つの上積みにあります。

以下その上積みについて説明しましょう。

サートゥルナーリアの上積み①:皐月賞はダービーへ向けての捨てレースだった

サートゥルナーリアの最大目標は5月26日の日本ダービー。

これは新馬戦を勝利した昨年6月から、いやその以前からこの馬の宿命として定められたものです。

今までならクラシックレースを狙う馬はトライアルレースを使っての本番となるパターンが多かったのですが、近年は外厩施設の充実もあって必ずしも休み明けで緩んだ体をレースを使いつつ目覚めさせるということは必要なくなってきました。

しかしそれでもサートゥルナーリアも弥生賞などのトライアルレースを挟めば皐月賞はもう少し楽に勝てたのでしょうがそれではダービーまでにピークアウトしてしまう恐れがあります。

秋の古馬G1戦線を見てもわかるように1シーズンに3走も一線級のレースに出走するとなるとハイレベルな現代競馬では馬が消耗しきってしまいます。

ですからかなり贅沢ではありますが皐月賞をステップレースにして、より価値の高いダービーを狙うというローテーションはある意味合理的とも言えます。

二兎を追えば一兎も得ずでしょうか。

近年の春2冠馬ドゥラメンテもダービーを最大目標にしていましたが、賞金不足の中フルゲート割れで出走できた皐月賞をたまたま勝てたような形で決して皐月賞を勝ちに行ったとは思えないローテーションでした。

サートゥルナーリアは3月13日に角居厩舎に帰厩し調整が進められてきましたが、皐月賞までにCWコースでの長めの追い切りは3本、坂路調教でも馬なり調教ばかりで他の出走馬に比べるとかなり軽い調整内容でした。

もちろん外厩のノーザンファームしがらきで乗り込んでいたのはわかりますが、他の馬たちか目の色を変えて狙ってくるG1皐月賞を本気で狙っているとは思えませんでした。

やはり競走馬はレースを使われた方が本来の力を発揮します。

騎乗したルメール騎手も戦前休み明けがどうかとかレース後も100%の出来ではなかったと言っていたのは中間の調整内容からも明らかでしょう。

つまり次走日本ダービーでは絶大な状態面の上積みが見込めます。

サートゥルナーリアの上積み②:ルメール騎手とは皐月賞で初コンビだった

サートゥルナーリアはホープフルSまでの3戦はデムーロ騎手が主戦を務めていましたが、クラシックレースはルメール騎手で挑むということが早々と表明されていました。

これはノーザンファーム側の意向でノーザンファームの馬作りの理念でもあるベスト×ベストを追求したものだと思われます。

血も涙も無いとも思えますがビジネスである以上は仕方のないことなのかもしれません。

しかし昨年215勝、G1勝ちまくりのルメール騎手にとってもサートゥルナーリアでのいきなりの皐月賞出走は手探り状態だったのではないでしょうか。

サートゥルナーリアがいくら乗りやすい馬とは言ってもまだキャリア3戦で未知の面は多数ありました。

特にこの血統特有の気性面での難しさはいつ表面に出てくるのかはわかりません。

実際前走までコンビを組んでいたデムーロ騎手はサートゥルナーリアの兄リオンディーズの乗り難しさを知っていたからかサートゥルナーリアを過剰なほど慎重に騎乗していました。

ルメール騎手はサートゥルナーリアの癖などについて事前にデムーロ騎手には話を聞かなかったとの報道がありましたが厩舎サイドからはなんらかの形で話は聞いていたはずです。

百戦錬磨のルメール騎手が実際に皐月賞でとった戦法はいわゆるディープ乗りと言われる大外を回しての横綱相撲の競馬でした。

終始不利を受けない馬群の外を周り折り合い面を重視した安全策。

結果としてはギリギリ勝ちきりましたが、馬の能力に任せすぎた騎乗だったように思えます。

手探り時状態の中で単勝1倍代でのG1出走は想像以上にルメール騎手のプレッシャーになっていたんじゃないかと思います。

ですが次走日本ダービーでは違います。

一度実戦で騎乗したことでサートゥルナーリアの能力や気性などをある程度理解できたハズだからです。

やはりG1だと相手も簡単ではなく緻密な騎乗をしなければいくらサートゥルナーリアと言えども簡単にはG1レースを勝てないということも理解したハズです。

となれば次走日本ダービーはルメール騎手本来のロスを極力抑えた騎乗でサートゥルナーリアを導いいてくれればもう1馬身、2馬身ライバルたちより前に出れるハズです

サートゥルナーリアの上積み③:厳しいレースを経験しての潜在能力の覚醒

サートゥルナーリアはあまりのエリートホース故にここまで調教でも実戦でも苦戦したことがありませんでした。

デビュー前の調教でもG1安田記念の最終追い切りをしていたペルシアンナイトと互角の動きをし、皐月賞前の調教でも馬なりとは言えエアウインザーやシャケトラといった角居厩舎の大将格である古馬オープン馬を煽るのですからその潜在能力は計り知れません。

ですが動きすぎることが仇となり実は調教でもムチを入れられて激しく追われるということは未経験でした。

しかし今回の皐月賞では相手も相手なので今までのような楽に先着するということはできず、恐らくは生まれて初めてムチで叩かれ一杯に追われました。

ムチで叩かれるの自体が初めてだったので馬もビックリして過剰に反応してしまったほどです。

しかしこれでサートゥルナーリアは目覚めます。

かつてディープインパクトやシンボリルドルフ、ミホノブルボンが中山競馬場での厳しいレースを体験した後にパフォーマンスを上げていったようにサートゥルナーリアもここから能力が解き放たれパフォーマンスを上げていくことでしょう。

日本ダービーでは覚醒した1ランク上のサートゥルナーリアが見られるかもしれません。

まとめ

休み明けでの皐月賞出走は流石のサートゥルナーリアでもかなりきついローテーションでした。

それに加えて乗り替わり、多頭数、ハイペースと三重苦も四重苦もある中での皐月賞勝利は高い潜在能力の成せる技でしょう。

次走の日本ダービーは全ての面で上向くことが予想されますが、不安がないわけでもありません。

皐月賞での反動や父ロードカナロア産駒ということでの距離への不安など乗り越えなければならない壁はあるのですが、元々ダービーが大本線のレースですのでそれら不安を全て吹き飛ばすほどの絶大な上積みがあることでしょう。

まずは無事に5月26日を迎えられますように。

それでは。

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