2019年も始まりました日本最大のサラブレッド競り市「セレクトセール」
例年国内外のセレブ馬主たちがお金に糸目をつけず超良血サラブレッドを競り落としていきます。
そんなセレクトセール初日の1歳市場が今年は何やらいつもと違った趣を見せています。
金子氏や里見氏などの常連馬主たちに混じって次々と高額馬を競り落としていく一人の馬主。
「(株)サラブレッドクラブライオン」!?
競馬好きな人たちの間でもマイナーな一口馬主クラブである「サラブレッドクラブライオン」が高額上場馬をバンバン競り落としているのです。
なんと初日だけで11頭落札です!!!
何が起きたのでしょう?
その中には2億を超える超高額馬も含まれております。
そのサラブレッドクラブライオンが1歳市場で競り落とした馬を1頭1頭検証していきたいと思います。
- ①:ペブルガーデンの2018(父エピファネイア) 牡馬
- ②:キョウエイカプリスの2018(父サウスヴィグラス) 牝馬
- ③:クイックリトルミスの2018(父キンシャサノキセキ) 牝馬
- ④:リュシオルの2018(父ハーツクライ) 牝馬
- ⑤:ジンジャーパンチの2018(父キングカメハメハ) 牡馬
- ⑥:アーマインの2018(父ハーツクライ) 牡馬
- ⑦:メジロルルドの2018(父ロードカナロア) 牝馬
- ⑧:トロピカルブラッサムの2018(父ヴィクトワールピサ) 牡馬
- ⑨:フラーテイシャスミスの2018(父ディープインパクト) 牡馬
- ⑩:ハリウッドローズの2018(父ヴィクトワールピサ) 牡馬
- ⑪:アピールⅡの2018(父ハーツクライ) 牝馬
- まとめ
①:ペブルガーデンの2018(父エピファネイア) 牡馬
購買価格1200万
牡馬
父エピファネイア
母ペブルガーデン(母父ディープインパクト)
母は中央4戦未勝利。近親にラトルスネーク
母ペブルガーデンは中央で4戦して未勝利です。
本馬は2番仔で兄にエスケンデレヤ産駒のミサキシャンティという馬がいます。(今のところ地方競馬の名古屋で走り未勝利)
母は目立った成績を残せませんでしたが兄に中央5勝で3歳時にはあのロードカナロアを破った実績を持つラトルスネークがいます。(ラトルスネークもセレクトセール上場馬)
祖母のワシントンシティはタイヘイ牧場では期待の繁殖でディープインパクト産駒の母は未勝利とはいえかなり期待の繁殖牝馬なのでしょう。
本馬は父エピファネイアで母父ディープとかなり最新型の配合でこれから主流になってきそうな血統構成です。
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ブラックタイプ↓
https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/cdn.jrha.or.jp/select/2019/pj012.pdf
②:キョウエイカプリスの2018(父サウスヴィグラス) 牝馬
購買価格1100万
牝馬
父サウスヴィグラス
母キョウエイカプリス(母父ゴールドアリュール)
母は中央ダート1000mで1勝
母は函館のダート1000m戦で1勝です。
兄弟にも同じサウスヴィグラス産駒のキョウエイリップスがいますが今のところ地方で走り3戦未勝利です。
祖母レイズユアグラスの産駒のキョウエイカルラが6勝を挙げオープン勝ちしていますが近親の活躍馬はこの馬くらいです。
母もゴールアリュール産駒で祖母の父もアジュディケーティングと典型的なダート血統の馬です。
おそらく本馬もダート戦を主体に活躍することでしょう。
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③:クイックリトルミスの2018(父キンシャサノキセキ) 牝馬
購買価格2100万
牝馬
父キンシャサノキセキ
母クイックリトルミス(母父フロイド)
母は北米2勝。G1でも好走歴あり
母は北米2勝。G1ハリウッドスターレットS2着とG1でも好走歴があります。
ノーザンファームでもかなり期待されていた繁殖牝馬でディープインパクトも何度か配合されています。
ただ今のところ1、2勝で終わってしまう産駒がほとんどで代表産駒と呼べるような馬は出ていませんね。
この系統はスカイディーバという繁殖牝馬も輸入されて何度もディープインパクトを交配されていますがイマイチな結果です。
キンシャサノキセキを父に迎えた本馬はどんな競走馬となるのでしょうか。
おそらくは短距離が主戦場となるでしょう。
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ブラックタイプ↓
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④:リュシオルの2018(父ハーツクライ) 牝馬
購買価格1900万
牝馬
父ハーツクライ
母リュシオル(母父クロフネ)
母は中央3勝。名門ケイティーズ一族の出身
母はダートで2勝、芝で1勝。主にマイル前後の距離を得意としました。
兄弟は今のところ地方競馬で勝ち上がる程度の活躍にとどまっていますが母系自体は優秀です。
名門ケイティーズ一族の出身で近親にはスリープレスナイト、アドマイヤムーン、ヒシアマゾンなど活躍馬がズラリといます。
父ハーツクライと母父クロフネの組み合わせからは重賞2着の実績のあるチェスナットコートが出ていますね。
芝、ダート問わず中距離戦を得意としそうな配合です。
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⑤:ジンジャーパンチの2018(父キングカメハメハ) 牡馬
購買価格2億9000万
牡馬
父キングカメハメハ
母ジンジャーパンチ(母父オーサムアゲイン)
母はアメリカの歴史的名牝。姉にルージュバック
いや〜2億9000万ですか。
サラブレッドクラブライオンは勝負に出てますね。
おそらく今回の競りで購入した目玉がこの馬です。
姉は重賞を4勝したルージュバックです。
母ジンジャーパンチは鳴り物入りで輸入されましたが当初の繁殖成績はイマイチでした。
ですのでキャロットクラブで募集されたルージュバックも安値で見向きもされず最後まで売れ残っていました。
正直この牝系は信頼度というか安定感がイマイチなんですよね〜
2億9000万を回収できるほどの活躍が果たしてできるのかどうか…….注目ですね。
募集価格はいくらになるんだろう?
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⑥:アーマインの2018(父ハーツクライ) 牡馬
購買価格3100万
牡馬
父ハーツクライ
母アーマイン(母父イクスチェンジレート)
母は北米G1馬。
母は北米のG1馬で8.5ハロンのアップルブロッサムSを制しています。
産駒は今のところ1、2勝の産駒が多く期待ほどの活躍をできているとは言えません。
ただ今までハーツクライを配合された兄弟はいないのでアメリカ血統と相性のいい父を迎えてどんな馬になるのか注目です。
おそらく2000m前後の距離が主戦場になりそうです。
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⑦:メジロルルドの2018(父ロードカナロア) 牝馬
購買価格4700万
牝馬
父ロードカナロア
母メジロルルド(母父サンデーサイレンス)
母は未出走だが祖母はG1を5勝したメジロドーベル。
母は未出走馬ですが祖母に名牝メジロドーベルがいるメジロの名牝系の出身です。
母の産駒には中央3勝を挙げたマッサビエルがいます。
本馬は父ロードカナロアを迎えてスピード色が強くなりそうでマイル前後で活躍する馬になりそうです。
同配合の組み合わせにはあのアーモンドアイがいますので、祖母の血をロードカナロアが引き出せればあるいは歴史的な名牝に成長する可能性もあるかもしれません。
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ブラックタイプ↓
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⑧:トロピカルブラッサムの2018(父ヴィクトワールピサ) 牡馬
購買価格800万
牡馬
父ヴィクトワールピサ
母トロピカルブラッサム(母父サンダーガルチ)
母は北米3勝。兄弟に浦和記念を勝ったピイラニハイウェイ
セレクトセールで800万とかなりお買い得な馬です。
母は北米で3勝。
兄弟にはダート中距離路線で活躍したピイラニハイウェイがいます。
父ヴィクトワールピサの産駒はダートが得意な馬も多く、本馬も配合的にもダートが主戦場になりそうな感じです。
兄同様ダートの中距離で交流重賞が勝てるか注目ですね。
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ブラックタイプ↓
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⑨:フラーテイシャスミスの2018(父ディープインパクト) 牡馬
購買価格2億
牡馬
父ディープインパクト
母フラーテイシャスミス(母父ミスターグリーリー)
兄弟に南部杯2連覇のベストウォーリア
購買価格2億と今年のセレクトセールでも目玉の1頭でした。
母フラーテイシャスミスは北米で1戦未勝利です。
本馬の兄弟にはダートの重賞戦線で大活躍したベストウォーリアがいますね。
他の兄弟はまずまず成績でしょうか。
問題は父にディープインパクトを迎えて本馬がどうなるかでしょう。
母がダート指向の強い血統構成でも父のディープインパクトは芝向きの中距離馬に変えてしまいますからおそらく本馬も芝の1600〜2000mくらいが得意な馬になりそうです。
これも募集価格がいくらくらいになるのでしょうか?
注目の1頭です。
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⑩:ハリウッドローズの2018(父ヴィクトワールピサ) 牡馬
購買価格1600万
牡馬
父ヴィクトワールピサ
母ハリウッドローズ(母父ラムタラ)
母は中央1勝。
母は中央のダート1700m戦で1勝です。
産駒にはすみれSを勝利したジュルジュサンクがいます。
本馬もジョルジュサンクと同じヴィクトワールピサの産駒となりますから全兄弟ですね。
母には3年連続でヴィクトワールピサを配合されているのでかなり相性のいい組み合わせなのでしょう。
兄同様芝の中距離戦を得意とするでしょうね。
でもダートでも良さそうかな?
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⑪:アピールⅡの2018(父ハーツクライ) 牝馬
購買価格2100万
牝馬
父ハーツクライ
母アピールⅡ(母父セルカーク)
母はイギリス3勝
母はイギリスで3勝の馬です。
日本に輸入後もこれといった馬はまだ誕生していませんね。
ただ本馬は最近活躍著しいハーツクライの産駒ですので今までの兄弟とは違った産駒に出てもおかしくはなさそうです。
父ハーツクライと母父セルカークの同配合の馬では阪神ジュベナイルフィリーズ3着のレッドセシリアがいて配合的な相性は良さそうです。
芝の1600〜2000mくらいが主戦場でしょう。
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ブラックタイプ↓
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まとめ
計11頭落札。
合計落札価格はなんと6億7600万です。
あんなマイナーな一口クラブのどこにそんなお金があったのでしょうね。
経営者が変わってリニューアルでもするのでしょうか?
中国人もびっくりの爆買いです(笑)
2億以上の購買価格の2頭が一体いくらの募集価格になるのかな。
2019年秋には今回購入した1歳馬の募集が始まりますから引き続きサラブレッドクラブライオンには注目ですね。
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