最近の競馬界は若い人や女性のファンを増やすために様々な取り組みを行っています。
その施策の中の一つに「CM」も含まれているのでしょうか、ここ数年のJRAのCMは若いタレントを起用した超ライトなファン層向けのものが多いです。
まあ、それはそれでいいのですがあまりにも競馬に興味の無さそうなタレントの出演する茶番的なCMを見るのも最近は飽きてきて個人的には食傷気味です。
皆さんもそうではないでしょうか?
やっぱり美しくカッコいい馬が主役のCMが一番です。
そこで過去の競馬関係のCMでこれぞ傑作と個人的に思えるものを10作品ほど選んでみました。
どれも傑作ばかりですよ。
2012年「THE WINNER」シリーズ
前年の2011年よりJRAは過去のG1レースや名馬を題材にしたCMをやっと作り始めました。
それまであまり名馬や名勝負を題材としたCMはなかったんですね。
そしてこのG1と名馬に注目したシリーズは2014年まで続くことになるのですが、その第二弾がこの「THE WINNER」です。
その週に行われるG1の過去の勝ち馬にピックアップしてG1レースに勝利するまでの背景を低音のナレーションと音楽で紹介しています。
高松宮記念のキングヘイローから始まり有馬記念のテンポイントまで14頭の名馬が登場します。
個人的には宝塚記念のグラスワンダー編が好きかな〜
「今行くか、いやまだか?」と同期のライバルであるスペシャルウイークとの駆け引きを上手く表現しています。
もちろん他の回も秀逸な作品ばかりです。
1997年「ひとりひとりに競馬はうれしい。」シリーズの牧原由貴子編
1997年は俳優の鶴田真由さんと本木雅弘さん2人のトーク形式のCMです。
基本は2人だけで過去の競馬を語っていくといった内容のCMなのですが所々でゲストが出演します。
その中になんと当時デビュー間もない「牧原由貴子」元騎手が登場して2人とこれからの目標などについて語っています。
当時19歳。いや〜初々しいですね。
今は藤田菜七子騎手がJRA女性騎手として大活躍していますが、その先駆けは紛れもなくこの牧原由貴子騎手です。(いや細江純子騎手もいたかな)
メチャクチャ可愛かったので追っかけ的なファンも多かった伝説的な女性騎手です。
それにしても作中の元木氏の「肉厚な手ですね」は失礼ですよね。
案外デリカシーなかったのかな?
今は見れない牧原騎手の若き日が見れる貴重なCMです。
JRA史上最高傑作のCMと言われる「最後の10完歩」
タイトルにある「伝説の馬シルバーウルフ」が登場するのはこのCMです。
2000年頃の作品ですが2011年〜2012年に復刻して再びJRAのブランド広告として使われたのがこの「最後の10完歩」です。
小田和正氏が歌う「woh woh」という曲をバックに武豊騎手が騎乗する芦毛の馬シルバーウルフがスローモーションでダートコースを駆け抜けていきます。
JRA競馬CMの最高傑作とも呼ばれているほど美しい作品です。
曲も素晴らしいのですが、なによりも当時全盛期である武豊騎手の騎乗フォームが美しい!
背中が全くブレず安定した綺麗なフォームはやはり日本競馬史上最高の騎手はこの人だと唸らせるような美しさです。
このCMは競馬学校でも騎乗フォームの手本として使われているとかナントカ。
見たことがない人は是非必見です。
ちなみにシルバーウルフはJRAの未勝利馬です。
競馬場で会いましょうの1994年「あなたがいるから、競馬は楽しい」シリーズ
このシリーズは個人的な思い入れの部分も強いのですが、私が競馬を始めた1994年のJRACMです。
この年は真田広之、時任三郎、中井貴一という今では大御所となった3人の俳優が競馬場や飲み屋などで競馬談義をしながら競馬について語るといった内容でした。
忌野清志郎の「競馬場で会いましょう」という名曲が使われているのもこの年のCMです。
他にもこの年は永井真理子の「日曜日が足りない」や曲名はわからないのですが高橋幸宏というアーティストの「こんな時代は2度と帰らないけど〜」というフレーズの曲も使われていました。
競馬歴の長い人は聞いたら「あ〜この歌どっかで聞いた事あるな〜」という曲の多いシリーズですね。
キムタク登場!1999年「走れJRA」シリーズの桜花賞編
JRAの競馬CM史上でも異色の年がこの「走れJRA」シリーズ。
前年からSMAPのキムタクこと木村拓哉氏がメインキャストとして出演していましたが、前年がインパクトがなかったからか180度方向転換したのがこのシリーズです。
よく分からない内容のストーリーの中でキムタクが歌って踊って叫ぶという凄いCMです。
特に印象深いのが桜花賞編。
「オンリージャストウーマン」「メスと呼ばないで〜え〜」というフレーズは20年以上経過した今でも時々口ずさみます。
当時はいぶかしげに思っていましたが、インパクトは今でもナンバーワンの競馬CMです。
2012年「JRA150周年記念CM」19の頃
あまり良い動画が残っていなかったのですが、上記の作品は2000年頃に作られた旧バージョンです。
2012年にJRA150周年のブランドCMとしてリニューアルされて復刻しました。
曲は小田和正氏の「19の頃」という曲です。
これも名作中の名作CMです。
旧バージョンでは初代ダービー馬ワカタカから始まりエルコンドルパサーまで日本の歴史と共に名馬の歩みを綴っています。
2012年のバージョンはディープインパクトなども登場するのですが動画が見つかりませんでした。
「最後の10完歩」と同じく小田和正氏の曲が使われていますが小田氏の曲は競馬とマッチしますね。
競馬CMの最高傑作の一つでしょう。
「週末のロマンは月曜日に始まる」週刊競馬ブックCM
「週末のロマンは月曜日に始まる」という名文句を生んだ週刊競馬ブックのCMです。
バックに流れる曲は「Weekend Romance」という曲でChuck Wansleyという外人の方が歌われています。
私が競馬を始めた1994年には使われていた曲で最初に使われたのがいつなのかは不明です。
このCMの凄いところは現在でもバリバリ現役で使われているというところですね。
「ユアソービュティホー」と思わず口ずさむ名曲と名文句の傑作です。
2006年「凱旋門賞」ディープインパクト応援CM
日本競馬史上最高の名馬ディープインパクトが凱旋門賞に出走を予定していた時に作られたJRAの応援CMです。
当時は海外馬券の発売はないので単純に応援という意味だけで作られたCMです。
「それはサラブレッド達のワールドカップ」「世界のディープを見逃すな」というフレーズが印象的でした。
凱旋門賞当日はロンシャン競馬場に日本のファンが大挙押し寄せディープインパクトの勝利を誰も疑いませんでしたが結果は残念。
私もディープの敗戦直後にフジテレビの高樹千佳子アナが映った時に「女なんか写すな!だからトライアルレース使えばよかったのに」とテレビに枕を投げつけたのを覚えています。
またディープインパクトみたいな最強馬が凱旋門賞に出走する時にカッコいいCMを作ってもらいたいですね。
2011年「20th Century Boy」名馬シリーズ
JRAの名馬をピックアップしたCMの最初のシリーズです。
T-レックスというイギリスのロックバンドの曲「20th Century Boy」をバックにセンスの良いフレーズで名馬の凄さを簡潔に紹介しています。
皐月賞のミホノブルボンから始まり、有馬記念のオグリキャップまで9レースのG1レース分が作られました。
個人的には2011年〜2014年までの名馬、名勝負シリーズで一番好きです。
何よりフレーズが素晴らしい。
ミホノブルボンの「常識は敵だ」やメジロマックイーンの「絶対の強さは時に人を退屈させる」など名馬の比喩が最高です。
一番好きなのはオグリキャップの「神はいる そう思った」でしょうか。
一度通しで9レース分見てください。
どれも最高ですから。
世界最高の競馬CM「トレヴ コンフィデンシャル」
トレヴが登場するのはこのCMです。
このCMはあのオルフェーヴルを凱旋門賞で倒したフランスのトレヴという牝馬1頭に注目した2015年凱旋門賞のCMです。
当時トレヴは凱旋門賞2連覇中で2015年の凱旋門賞は史上初の3連覇がかかっていてフランス国内でも大盛り上がりだったと言います。
その中で製作されたのがこの「TREVE CONFIDENTIAL(トレヴ コンフィデンシャル)」です。
個人的には今まで見た中で最高の競馬CMだと思っています。
2015年は凱旋門賞に日本馬の出走はなかったのですが、グリーンチャンネルで凱旋門賞の中継が放送されその中でもこの「トレヴ コンフィデンシャル」が紹介されました。
夕闇迫るロンシャン競馬場のスタンドにプロジェクションマッピングで作られたトレヴが浮かび上がりフランスの街中を駆け抜けながら凱旋門を目指すという超ハイセンスな作品です。
疾走感溢れる音楽もトレヴが本当に街中を走っているように錯覚させます。
やっぱり海外のセンスは違いますね。
一度見るとハマるので是非見てください。
出来れば大画面をオススメします。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
海外のCMや競馬雑誌のCMなども含めていますが、JRAも本気出せば素晴らしいCMを作れるということもわかってもらえたでしょうか?
ただ今は新規のファンを増やすのに躍起になっているだけです(笑)
またいつかコアファン向けの素晴らしい競馬CMを作ってくれることをJRAに期待したいですね。
それまでは過去の名作CMを楽しみましょう!
それでは。
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