世界一の馬主とも呼ばれる金子真人氏率いる金子真人HDが2019年のセレクトセールでも11頭の高額馬を競り落としました。
その合計購買金額はなんと11億5300万円です!
同日は一口馬主クラブであるサラブレッドクラブライオンが合計6億円以上の爆買いで注目を浴びましたが金子氏は流石に格が違います。
その金子氏が2019年のセレクトセールで購入した1歳馬11頭を1頭1頭検証してみました。
2021年のダービー馬はこの中にいるのかもしれませんよ。
①プロヴィナージュの18(父ドゥラメンテ) 牡馬
購買価格6100万
牡馬
父ドゥラメンテ
母プロヴィナージュ(母父フレンチデピュティ)
母は秋華賞3着馬。重賞好走歴多数の名牝
2019年セレクトセールで金子氏が最初に競り落としたのがこの馬です。
母は2008年の秋華賞の3着馬で重賞こそ未勝利ですが好走歴は多数の名牝です。
兄弟では今のところ活躍馬は出ていないのですが、ルーラーシップ産駒のメンターモードがダートで3勝を挙げています。
兄と同じキングカメハメハの系統であるドゥラメンテが父なら相性の良さは間違いないと思われます。
ただサンデーサイレンスの3×3というかなり濃いインブリードが発生していますので兄とは体質面や気性で違いが出てくるのかもしれません。
母と同様に芝の中距離馬として活躍しそうです。
画像↓
ブラックタイプ↓
https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/cdn.jrha.or.jp/select/2019/pj018.pdf
②ジェコンダⅡの18(父ディープインパクト) 牡馬
購買価格2億6000万
牡馬
父ディープインパクト
母ジェコンダ(母父ロッシーニ)
兄は宝塚記念の勝ち馬サトノクラウン
金子氏この日2頭目の購買馬は2億円超えの超高額馬です。
母ジョコンダⅡはアイルランドで2勝の馬ですが産駒に宝塚記念と香港ヴァーズを制したサトノクラウンがいます。
同じディープインパクトを持つ兄サトノヴィクトリーもセレクトセールで2億円以上の価格で落札されましたが今のところ条件級の活躍にとどまっています。
これが世界一の相馬眼を持つ金子氏が購入したことによってどう変わるかでしょう。
ディープインパクト産駒らしく適正距離は芝の中距離です。
金子氏のダービー5勝目はこの馬となるのでしょうか。注目です。
画像↓
ブラックタイプ↓
https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/cdn.jrha.or.jp/select/2019/pj021.pdf
③マーゴッドディドの18(父フランケル) 牡馬
購買価格2億1000万
牡馬
父フランケル
母マーゴッドディド(母父エクシードアンドエクセル)
母は1000mのG1勝ち馬。
欧州の史上最強馬である父フランケルは日本でもモズアスコットやソウルスターリングの活躍でお馴染みです。
母はイギリスの5ハロンG1ナンソープSの勝ち馬でノーザンファーム期待の新鋭繁殖牝馬です。
兄弟のミッションインパッシブルという馬がフランスのG2戦を勝利していて、母はすでにある程度結果を残していますね。
本馬の配合である父ガリレオ系×母デインヒル系というのは現在の欧州の主流血統です。
まあ、走るでしょうね。
同じ父のモズアスコットと同じように芝のマイル戦を主戦場とするでしょう。
活躍すれば種牡馬としても期待される1頭です。
画像↓
ブラックタイプ↓
https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/cdn.jrha.or.jp/select/2019/pj041.pdf
④クロノロジストの18(父モーリス) 牡馬
購買価格5200万
牡馬
父モーリス
母クロノロジスト(母父クロフネ)
兄弟にノームコア、クロノジェネシスという牝馬の大物
母は1勝馬ですが産駒には2019年のヴィクトリアマイルを勝利したノームコアと桜花賞、オークス3着のクロノジェネシスという牝馬の大物2頭がいます。
さらに上の姉であるハピネスダンサーもオープン馬ですので母はかなり優秀な繁殖牝馬です。
様々な父との組み合わせで活躍馬を輩出している母ですので父モーリスの本馬との相性も悪くないことでしょう。
牝馬が活躍する一族ですが、父モーリスの系統であるロベルト系は牡馬優勢の系統ですのでどちらの血が強く出るか注目です。
まあ金子さんの購入馬だからいい方に出るのかなという気もしますが。
5200万という購入金額はこの母として格安にも感じますが、父モーリスの産駒は今年のセリではあまり高値が付いていないようです。
画像↓
ブラックタイプ↓
https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/cdn.jrha.or.jp/select/2019/pj072.pdf
⑤スイートサルサの18(父キングカメハメハ) 牡馬
購買価格4200万
牡馬
父キングカメハメハ
母スイートサルサ(母父デュランダル)
母は福島牝馬Sの勝ち馬など5勝
母は福島牝馬Sなど現役時代は重賞戦線で活躍した名牝です。
スイートという冠名からもわかるようにあのシンボリ牧場の生産馬です。
母自体が最近まで現役競走馬だったので本馬は2番仔になります。
エピファネイア産駒の姉は北海道オータムセールでたった388万だったのに本馬は10倍以上の価格の4200万。
よほど出来がいいのでしょうか?
まあ金子氏が購入するということはそういうことなのでしょう。
距離的には1800m前後の距離を得意としそうな配合です。
画像↓
ブラックタイプ↓
https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/cdn.jrha.or.jp/select/2019/pj076.pdf
⑥サマーハの18(父ディープインパクト) 牝馬
購買価格2億1000万
牝馬
父ディープインパクト
母サマーハ(母父シングスピール)
兄は重賞3勝のシャケトラ。
母は現役時代は欧州で4勝。
輸入後の2番仔であるシャケトラは阪神大賞典など重賞レース3勝を上げました。(その後不慮の事故で死亡)
他の兄弟も堅実に勝利を重ねているところをみると母はかなり優秀な繁殖牝馬のようです。
ハーツクライ産駒の兄が昨年の同セールで1億4580万。
父がディープインパクトに変わった本馬は牝馬でありながらなんと2億1000万です。
よほどの出来として間違いないでしょう。
父ディープインパクトと母父シングスピールという組み合わせはオークス馬シンハライトが出ていて相性抜群です。
2021年の桜花賞、オークスが楽しみな馬ですね。
画像↓
ブラックタイプ↓
https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/cdn.jrha.or.jp/select/2019/pj083.pdf
⑦シーフロントの18(父オルフェーヴル) 牡馬
購買価格3400万
父オルフェーヴル
母シーフロント(母父ルアーヴル)
母はフランスで5勝
あまり情報の無い母で本馬は初仔のようです。
母父であるルアーヴルはブラッシンググルーム系の競走馬でフランス時代にルメール騎手が主戦で2100mと1600mのG1レースを2勝しています。
今年のフィリーズレヴューを勝ったプールヴィルもルアーヴル産駒です。
父は安定感を欠くオルフェーヴルですし正直かなり未知の血統の馬ですね。
それでも金子氏が購入したということは何か見るべきところがあるのでしょうね。
オルフェーヴルの最高傑作になったりして(笑)
画像↓
ブラックタイプ↓
https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/cdn.jrha.or.jp/select/2019/pj084.pdf
⑧ワイの18(父ディープインパクト) 牡馬
購買価格1億3500万
牡馬
父ディープインパクト
母ワイ(母父ガリレオ)
母はアイルランドで1勝。母系はミエスクにつながる超名牝系
母はアイルランドで1勝と目立ちませんが、母系は名牝ミエスクにつながる超良血馬です。
近親にはリアルスティール、ラヴズオンリーユーというG1馬もいます。
ただ今のところ兄弟は微妙な成績で勝ち上がりもままならない馬もいます。
それでも金子氏が目を付けたということは今までの産駒とは出来が違っているのかもしれません。
血統的には同配合のヴァンキッシュラン同様2400m前後の距離を得意としそうです。
画像↓
ブラックタイプ↓
https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/cdn.jrha.or.jp/select/2019/pj112.pdf
⑨ブギーダモーレの18(父ダークエンジェル) 牡馬
購買価格5400万
牡馬
父ダークエンジェル
母ブギーダモーレ(母父レイルリンク)
母はイタリアで4勝
パッと見ると謎の血統構成の馬です(笑)。
父のダークエンジェルは2歳戦だけで引退した早熟馬だったようですが種牡馬入りしてからは何頭もG1勝ち馬を輩出して成功しています。
3代血統表を見てもわかりにくいのですが父系はノーザンダンサー系です。
そして母もよくわからないのですが母父はあのレイルリンクです。
レイルリンクといえば金子氏の最高傑作であるディープインパクトを凱旋門賞で倒した馬です。
何か因縁を感じますね。
おそらくはマイル前後の距離を得意とする馬になるのではないでしょうか。
画像↓
ブラックタイプ↓
https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/cdn.jrha.or.jp/select/2019/pj138.pdf
⑩ゴジップガールの18(父ハーツクライ) 牡馬
購買価格7400万
牡馬
父ハーツクライ
母ゴジップガール(母父ダイナフォーマー)
母は北米5勝。アメリカンオークス勝ち馬
母はあのシーザリオも制した今はなきアメリカンオークスの勝ち馬です。
兄弟は今のところ条件級ばかりなのですがポテンシャルを期待されての高額取引なのでしょう。
母父はロベルト系のダイナフォーマーですが父ハーツクライとロベルト系の母との組み合わせではホープフルSの勝ち馬タイムフライヤーなどが出ていてなかなか好相性です。
距離は中距離を得意としそうですが、気性次第ではもっと長めの距離を得意としてもおかしくはなさそうです。
画像↓
ブラックタイプ↓
https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/cdn.jrha.or.jp/select/2019/pj173.pdf
⑪エミネントピークスの18(父ラブリーデイ) 牝馬
購買価格2100万
牝馬
父ラブリーデイ
母エミネントピークス(母父ティンバーカントリー)
母は中央3勝。
血統的には地味に見えますが、金子氏の個人的なこだわりの1頭なのでしょう。
父は金子氏の所有馬として走りG1を2勝したラブリーデイです。
金子氏は自分で繁殖牝馬を所有して自家生産に近いこともおこなっていますが、やはり自分で所有した父を優先して配合するようです。
おそらくラブリーデイの産駒も金子氏は自家生産していると思われるのでわざわざ購入する必要もなさそうですが、そこは百戦錬磨の金子氏で何かこの馬に感じるところがあったのでしょう。
母は短距離馬ですが母系はダート戦で活躍した馬の名前も目立ち芝、ダートどちらを得意とするのかはわからない馬です。
POGの穴馬でいいかもしれない1頭です。
画像↓
ブラックタイプ↓
https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/cdn.jrha.or.jp/select/2019/pj237.pdf
まとめ
2019年のセレクトセール1歳市場で金子真人HDが購入した11頭について検証して見ましたが、この中に間違いなくG1戦線で活躍する馬が含まれていると思われます。
POGならこの中の馬を指名すればどれかはクラシックレースで好勝負してくれることでしょう。
個人的にはシャケトラの妹であるサマーハの2018は要注目だと思いました。
果たしてこの中に2021年のダービー馬はいるのか?
再来年のクラシック戦線まで金子真人HDの購入馬から目が離せませんね。
参考記事↓
コメント