1991年に始まった刃牙シリーズの記念すべき第1作目「グラップラー刃牙」
もう30年近く前の作品です。
当時は秋田書店の漫画自体コーナーが少なく田舎町では手に入りにくかったのを覚えています。(私の地元は板垣先生と同じですが刃牙初版はどこにも売っていなかった)
私が本格的に刃牙にハマったのは鎬昂昇が登場する3巻からなのですが、久々に読み返してみると色々突っこむところがありますね。
気になったポイントについての感想です。
主要キャラが5人も登場している
主人公である範馬刃牙の登場は当然として愚地独歩、本部以造など主要なサブキャラや末堂厚、加藤清澄などもこの第1巻に登場しています。
板垣先生の作品はキャラ持ちがいいですね。
本部以造などは脇役中の脇役でしたが武蔵編では最強キャラの1人にまで格が上がっています。
最大トーナメントで横綱金竜山に歯が立たなかったキャラが刃牙の兄ジャックハンマーを圧倒するのですからちょっとやりすぎじゃないかなとも思うのですがどうなんだろう?
そのほか末堂や加藤も死刑囚編の対ドリアン戦では見せ場を作りましたね。
大山倍達がモデルで本来ならラスボス的存在になってもおかしくなかった愚地独歩も第1巻から登場します。
強さのインフレの影響か後々は本部よりも格下になってしまうのが悲しいのですが土管割りをしている独歩はかっこいいですね。
この頃の強さの設定はおそらく同じ板垣作品の「餓狼伝」に登場する松尾象山と近いものがあるのではないでしょうか?
末堂厚の上位互換が愚地克巳?
この回で刃牙と対戦する末堂はリアルな身体能力が武器のキャラです。
モデルは当時全盛期だった極真空手のチャンピオン八巻健二とも言われていますが、八巻選手よりもひと回り以上大きな設定です。
私が注目したのは末堂のベンチプレス270キロというところです。
後々登場する独歩の養子で空手界のリーサルウェポン愚地克巳はベンチプレスが300キロという設定なんですよね。
ちなみに100m走は末堂11秒台、克巳は10秒台という設定です。
この設定を見ると愚地克巳は末堂の上位互換なのですね。
現実世界では人類史上最高の身体能力を持つと言われていた現役時代のハンマー投げ室伏広治選手でベンチプレス170キロ、100m10秒台と言われています。
ベンチプレスの重量には差がありますがマンガと比べても結構リアリティーがありますね。
いや室伏選手がマンガに近いのか?
ベンチプレスはパワーのステイタスなのですが、この作品に出てくる他のキャラクター例えば花山薫なんかは500キロでも片手で挙げれそうな雰囲気です。
そういう意味ではまだリアリティーを持たせているのが初期のグラップラー刃牙なのかもしれません。
末堂の師匠のモデルは大山茂?
刃牙に敗れた神心会の選手に制裁を下しているオカッパ頭の師範はおそらく極真空手の伝説の達人大山茂その人でしょう。
大山茂という人物は初期の極真空手の達人でのちにアメリカに渡り極真空手を広めた人物です。
熊殺しウイリーウイリアムズの師匠でもありますね。
昔刃牙を読んでいたときは気付かなかったのですが今更気付きました。
このマンガのキャラと同じく非常に怖い人物だったようで、「右腕を折られたら左腕で倒せ、最後は化けて出てろ」などと弟子には叱咤し木刀でビシバシ叩き非常に厳しい指導をしていたようです。
身体能力が30%向上するテンプレートって何?
私が当時欲しかったのが末堂が刃牙との試合前に口に嵌めるテンプレートと呼ばれているマウスピースのようなものです。
マンガではこれを装着するとなんと30%も身体能力が上がると書かれています。
30%ですよ?
握力50キロの人がテンプレート装着するだけで握力が65キロになるってことでしょうか?
バーベルスクワットMAX100キロの人が装着すれば130キロがあがるってことですよ?
にわかに信じられません。
当時はどこかで手に入れられるのだろうと信じていましたが、どうやら歯科で使われるテンプレート療法なる治療で使われるもののようです。
実際にそういう治療があるらしいのですが文献を読んでいると30%とは書いていませんが運動能力向上の効果があるとのことです。
実在するのですね。
マウスピースでも代用できそうですが一回使って見たいです。
せっかく歯並び良いのになんのために折っているのかわからない
テンプレートを使用する末堂相手にパーフェクトナチュラルパワーと自分の歯並びの良さを見せつける刃牙ですが、その後末堂の正拳突きをもろに顔で受けて奥歯を損傷してしまっています。
ここがよくわからないんですよね。
いや次の対戦相手は空手家でも切れ味が武器の鎬昂昇でしょ?
わざわざ顔を叩かせる意味がよくわかりません。
どう考えてもリサーチ不足です。
この時の柔らかいものでも高速度であれば遥かに硬いものでも壊せるという理論は後々のゴキブリダッシュの時にも使われています。
刃牙のモデルである平直之はゴールドジムでセミナーをしている
主人公、範馬刃牙のモデルになったのは当時総合格闘家として活躍していた平直之選手です。
実在の人物の写真を見たらわかるのですが本当によく似ています。
今はストライブルというジムを経営していて東京のゴールドジム店舗ノース東京やイースト東京で柔術を教えているようです。
私が住んでいる愛知県にも「サムライメソッドやわらぎ」という古武術を利用した体の使い方についてのメソッドを教えるためによく来ています。
「平直之の骨絡調整術」本も出ています。
そういえば私も数年前に買って読みました。
というかこれ書評ではないですね。
豆知識です。
まとめ
久々にグラップラー刃牙の第1巻を読んで見ましたが改めて読むと色々気付きがありますね。
絵に関していえば刃牙こそ今より細身に見えますが他のキャラクターは30年近くたった今でもそんなに変わってはいないです。
作品の初期はリアルバージョンの北斗の拳を目指していたと言いますが、2019年現在の刃牙シリーズはリアルとは遠いドラゴンボールに近くなってしまっています。
またこの頃の作風に戻してくれないかな〜
もう無理かな。
それでは、また。
↓グラップラー刃牙第1巻
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