タクシー業界は中途採用の転職者を中心に雇用している業界です。
最近は新卒も受け入れ始めているようですが、一般に日本の企業は新卒採用が中心ですから珍しい業界とも言えるかもしれません。
そんな中途採用中心のタクシー業界は転職者の不安やミスマッチを避けるために様々な情報を公開しています。
その一つが「会社説明会」です。
他の業界だと中途採用のための会社説明会ってなかなか開催していないのですが、タクシー会社は中規模以上の会社だと大体は開催しています。
私は東京のタクシー会社への転職を考えているのもあって一度説明会に参加してみたいと常々思っていました。
それで先日、東京のタクシー会社3社の説明会に参加してきました。
その時の内容をレポートします。
この記事は私が参加した東京のタクシー会社就職説明会の内容をまとめたものです。
諸事情により会社名は伏せますが、タクシー会社の説明会に興味のある方は参考にして見てください。
1社目:OOO自動車交通の説明会
まず私が参加したのは本社が東京銀座に本社がある大手タクシー会社です。
事前に電話で予約を入れたのですが、前日にも確認のための電話がかかってくるなどキッチリとした会社という印象でした。
当日はもちろんスーツを着て行きましたが、面接は受けるつもりはまだなかったので履歴書は持って行きませんでした。
かなり固い会社の印象で説明会もちょっと無機質なビルの一室で行われました。
事前に予約していた時間10分前に到着し部屋に通されてからアンケートを書きながら担当者がくるのを待ちました。
5分ほど待って部屋に入って来たのは50代くらいの担当者の男性です。
簡単な挨拶の後に突然始まったのは深視力の検査です。
深視力検査
それじゃあ、深視力を測ってみようか
え!?深視力ですか?
「深視力」とはタクシーの2種免許を取得する際に必要な遠近感を図る視力検査です。
この深視力検査を合格しないと2種免許が取れないのでタクシー運転手の仕事をすることができません。
参考動画
箱の中の3本の棒のうち真ん中の棒だけ前後に動くので、3本の棒が横一線に並んだと思われるところでボタンを押し真ん中の棒を停止させ誤差がどのくらいなのか図る検査なのですが、事前に調べていなかったので何がなんだかわかりません。
真ん中の棒が動いていると言われてもどう動いているのか全然わからないのです。
わからないで困っていると担当者が検査の仕組みを教えてくれたのでそれでようやく棒の動きがわかりました。
理屈が分かってからは誤差の範囲内で棒を中心で止められるようになったのですが結構焦りました。
これが本番だったら落ちていたかもしれません。
いい経験になりました。
交通費支給と寮が自慢の会社
その後は給与の歩合率の詳細や責任出番という月の最低出勤日数などの話がメインでした。
ここの会社はタクシー会社では珍しく交通費を支給されるのでことさら他のタクシー会社との違いを強調していました
他には社員寮があるので写真などで各寮についても説明してくれました。
インターネット上でも公開されているのですが他にも様々な場所に寮があるようで、全て綺麗にリフォームされているようでした。
家賃は3万円前後と東京では魅力的なのですが、1年ごとに家賃が3000円ほど上昇し3年経ったら退寮させられて自分で部屋を借りなければいけないと言っていました。
しかも会社の営業所とは離れているところも多く電車通勤オンリーでバイクや自転車での出勤も労災保険うんぬんで許可していないとのことでした。
全体的に固い印象の会社でした
ここのタクシー会社はかなり固い印象を受けました。
いろいろ縛りも厳しそうで隔日勤務では月12〜13出番が基本と言っていました。
最高年収も670万と言っていたので意外と少ないなとも思いました。
日勤や夜勤もあるが保証給はなくなるとも言っていました。
面接合格者は40%くらいとも言っていたので大手らしく人もかなり選んでいるようでした。
全体としては地方からの転職者としては寮は魅力的ですがその他にはあまり魅力を感じませんでした。
2社目:OOO交通の説明会
2社目は東京では準大手という位置付けの会社です。
最近では外国人や女性の採用を積極的に行っている会社です。
ここは体験会という名目での説明会も行っていて会社の営業所でタクシー業務の実際の姿を見せてくれます。
私が行ったのは本社ではなく足立区内の某所にある実際のタクシー営業所です。
10分前に到着し営業所の敷地内に入ってまず気になったのはある匂いです。
敷地内は凄まじくタバコくさい
ここの営業所は敷地内に入った瞬間からものすごいタバコの匂いがしました。
どうやら分煙化などは一切していないようです。
仮眠室や風呂などがある建物の入り口にも行きましたがものすごいタバコの匂いでとても宿泊したいとは思いませんでした。
女性の採用を進めているわりにはお粗末な感じがしました。
出席者のレベルに疑問
事務所に入っていくと小部屋に通され営業所長が出迎えてくれました。
時間なのですがもう1人くる予定なのでもう少し待ってください。
私ともう1人説明会に出席する人がいるようですが、どうやら遅刻してくるようです。
10分ほど待ってからやってきたのはいかにも無職で私服姿の50代のおじさんでした。
この人物を見てなんとなくここの会社のレベルがわかりました。
2人揃ってから所長による会社の説明が始まりました。
聞いているとここの会社は歩合率が55%ほどと一般に60%と言われている東京都の平均よりかなり低いようでした。
それでも平均年収は430〜450万ほどになるとのことでした。
ジャパンタクシーを見学
ここの説明会では実際に使用する車両の説明もしてくれました。
タクシーの整備担当の男性がジャパンタクシーという最新型のタクシーの内部や装備などを詳しく説明してくれました。
従来のセダン型のタクシー車両はもう製造されないのでこれから順にジャパンタクシーに切り替わっていくそうです。
このジャパンタクシーは車椅子をたたまずそのまま載せることができるようですが、載せるのはかなり大変なようです。
その後は整備士から見たタクシーの仕事について話を聞かせてくれました。
私は事故がどうしても不安なのでぶつけた時のことを聞いたのですが、多少タクシーに傷がついて帰ってきても報告さえしっかりしてくれれば大した問題にはならないようなことを言っていました。
全体にゆるい印象の会社でした
この準大手のタクシー会社の印象はゆるいなという感じでした。
月の責任出番も11日ですので休みもかなり多そうです。
事務員もゆるい感じでしたし午前11時ごろでしたが敷地内ではタバコを吸って談笑しているタクシー運転手が5〜6人もいてサボっているようにしか見えませんでした。
しかし事故などを起こした際の保証はしっかりしているらしいので、気楽に働きたいならいい会社なのかもしれません。
3社目:OOO自動車の説明会
最後に私が行ったのは1社目と同じく大手タクシー会社のうちの一つです。
今回の私の本命候補はこちらの会社でした。
ここのタクシー会社はインターネット上でもかなりの情報を公開しておりかなり期待が大きいです。
本社は東京の赤坂にあります。
中に入ると明るい感じのオフィスで第一印象もよかったです。
待合室に通されるとすでにスーツ姿の50代くらいの男性が1人待っていました。
どうやらこの男性と一緒の説明会になるようです。
最長で5ヶ月も研修する場合もある
説明会の担当者は30代?くらいに見える若い男性。
名刺を渡されてからタブレットを使用しての説明会が始まりました。
会社概要や歴史などの話が15分くらい続きその後タクシーとハイヤーの話が始まりました。
私はタクシー運転手希望で行ったのですが、ハイヤー運転手の人手が足りないらしく少しハイヤーに乗ることも検討してくれないかとのことでした。
営業所によってはタクシー運転手としてハイヤー運転手を同時にすることもできるようです。
運転に自信のない私が特に聞きたかったのはタクシーデビューまでの研修内容なのですが、研修は今までデビューまでに一番かかった人で5ヶ月も研修したことがあるとのことでした。
これなら運転に不安を持ったまま路上デビューということはなさそうです。
平均年収が高い
ここの会社は寮もなく給料の保証期間も他の会社より少ないのですが、平均年収は他のタクシー会社より50万円くらい高いです。
なぜ他のタクシー会社より平均年収が高いのですか?
内我が社の歩合率は約65%と高いことと、大手なのでファンが多い、専用乗り場、チケットなどお客様を捕まえる手段が豊富だからです。
他にも入社後の勉強会なども開催されていてベテランからお客様を掴むためのテクニックを学べるらしいです。
同じ東京のタクシー会社の中でもかなり稼ぎやすい環境が整っているようです。
夜通しの説明会も行われている
ここのタクシー会社は会社に泊まり込んで実際の業務を見てもらうという体験型の説明会も実施していると言っていました。
この体験型説明会では夜の銀座や六本木で実際のタクシーがどのような営業を行っているのかを実際にタクシーの横に乗り込んで体験できるようです。
営業所の風呂や仮眠室なども体験できるようです。
全体にいい印象の会社でした
大手の割には融通が利きそうな会社で責任出番も11日と言っていました。
出勤時間も自分で決められるらしく満員電車の時間帯を避けることができます。
タクシー運転手からハイヤーやバス運転手への職種変更や運転手自体を辞めて内勤職種への変更などもできるとのことでした。
最先端のタクシー会社という印象で非常に好感度が高い会社でした。
ただ一つ気になったのはあまりデメリットというかタクシー運転手の危険な面についての話がなかったことです。
その1点だけが気になりました。
まとめ
今回東京のタクシー会社3社の説明会に参加して見ましたが、当然ですがそれぞれカラーがあって違いも大きかったです。
どこのタクシー会社も人員不足のためか面接まで受けて帰ることをしきりに勧められましたが、今回は全て辞退しました。
私の場合は運転にそれほど自信がないのでそこが最大の課題です。
事故起こしちゃったらどうにもならないですからね。
ただ東京は稼げる環境は大分整っているとは思いました。
やっぱりタクシーで生活するなら東京1択になるでしょうね。
個人的には最後に行った大手のタクシー会社がいい印象でした。
それでは。
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